インドのプログラミング教育
世界有数のIT大国として名高いインドですが、その名声も合って、学生に対するプログラミング教育も比較的進んでいます。
実際にどのような仕組みで、どのような内容のプログラミング教育が実施されているのか気になっておられる方もいるでしょう。
そこで、インドのプログラミング教育の現状について、解説していきます。
以下の項目で解説していきます。
- インドの3種類の教育システム
- プログラミング教育の内容
それでは解説していきます。
インドの3種類の教育システムとのプログラミング教育
インドの学校は3種類の教育システムが存在します。
それが以下の三つです。
- ICSE(The Indian Certificate of Secondary Education)
- CBSE(The Central Board of Secondary Education)
- State Board
ICSE
まず、ICSEは国際的にも認められた教育システムで、海外留学を考えている人が用いることが多いシステムです。
留学を目指す人たちだけあって、ICSEは非常に勉強がタフだと言われています。
ICSEでは、日本で言うところの小学4年生から高校1年生まで、コンピューターサイエンスの授業があって、その一環でプログラミングを学ぶことがあるようです。
また、IP(Information Practices)という科目も開講されており、そこではJAVAやPythonといったプログラミング言語の学習をすることができるようです。
CBSE
次に、CBSEは、ICSEより学習はハードでないプログラムですが、英語を使用して学習を進めていくことが特徴です。
ICSE同様、日本で言うところの小学4年生から高校1年生まで、コンピューターサイエンスの授業があって、その一環でプログラミングを学ぶことがあるようです。
また、こちらもICSE同様、IP(Information Practices)という科目も開講されており、そこではJAVAやPythonといったプログラミング言語の学習をすることができるようです。
State Board
そして、このState Boardは州政府が管理している教育システムのことです。英語ではなくその州・地域の言語(インドは各地域で言語が異なる)で、教育をしていきます。
ICSEやCBSEよりは、比較的カリキュラムが楽と言われています。
State Boardでは、教育費がかさむため、コンピューターサイエンスは開講しておらず、IPだけ開講しています。
プログラミング教育の内容
インドの小学校におけるプログラミング教育は具体的にどのような内容なのでしょうか?
基本的に、小学校のうちから高度なプログラミング言語を扱うようなことはせずに、その基礎となる思考力や処理能力の土台を養っていきます。
これは、小学生のころから基礎能力を育成することで、高学年次の、プログラミング教育が容易になるという考えに基づいています。
例えば、コンピューターサイエンスの授業では、プログラミング教育に向けに設計された言語を学んだり、アルゴリズムやフローチャートを作成したり授業があります。
小学生のうちに、プログラミングの基礎となる思考力やデータ処理能力を養うことで、高学年になった際に、プログラミング言語を扱いやすくなるようにカリキュラムが設定されています。
今後のプログラミング教育の方針や国策
では、インドのプログラミング教育は今後どのように展開していくのでしょうか。
以下の項目で説明していきます。
- 2020の教育改革
- 疑わしい実効性
- 改善が求められる地域格差
それでは解説していきます。
2020年の教育改革
インド政府は、2020年に教育改革方針を打ち出しました。その方針の中では、今後小学5年生(11歳)以上の学年においては、プログラミング教育を原則必須にすることを定めました。
これは、競争が激化するグローバル世界においても、市場価値の高い人材を育成したいという国の戦略を反映したものとなっています。
これを受けて、今後、国をあげての必修化が進むことにより、プログラミング学習の環境は整備され、教育システムも体系化されていくことが予想されます。
疑わしい実効性
インド政府はそのような教育改革方針を打ち出したものの、実際の教育現場に普及しきるかどうかは疑わしいと言われています。
というのも、インド政治の特徴として、方針を打ち出しても、実効性のない、現場は結局変わらないというケースが多いことが上げられるからです。
ですから、今回もどの程度教育現場が変わっていくのかどうかは怪しい部分があります。
改善が求められる地域格差
このような教育改革が進む一方で、地方の学校では必修化、プログミラング教育導入はまだまだ遅れると見られています。
なぜなら、地方の学校の中には、プログラミングを教えることの出来る教師が不足していたり、プログラミングのための設備が整っていなかったりするところが多いからです。
国が積極的に地方と都市部の教育格差を是正しようとしない限り、地方の学校では十分なプログラミング教育が受けられないかもしれません。
(参照サイト)