幼児教育といっても色々な方法があります。
みなさんはいくつ知っていますか?
こちらの記事では、それぞれの教育方法について特徴を簡単に説明していきます。
世界の幼児教育方法
モンテッソーリ教育
- 子どもには自分で自分を教育する、育てる力があるという自己教育力の考えを根底に考えられた教育法。
- 自己教育力に基づき成長を促していくため、能動的な行動や積極性が身に付く。
- 小学校入学前の幼児教育としてよく取り入れられている。
- 通常の幼稚園保育園ではさまざまな行事が開催されますが、モンテッソーリ教育では行事が控えめ。
- 周りの大人や教師が子どもの成長を見守るスタンスであること。
シュタイナー教育
- 「からだ」「こころ」「あたま」のバランスを重視する。
- それぞれが育つ時期を7年ごとに分ける。
0~7歳 …「からだ」を育てることが一番大切な時期
7~14歳 …「こころ」を育てることが一番大切な時期
14~21歳 …「あたま」を育てることが一番大切な時期 - テレビや勉強より、手足をたくさん動かす体験を重視する。
- 目指すのは自由な生き方ができる人間。
- シンプルな素材をおもちゃにする。きれいな木ぎれや小石や木の実、紐、布等。
- 生活リズムを整える。早寝早起き、月曜日は散歩等。
- 言葉ではなく行動で教える。大人の真似をすることで学ぶ。
例:「片づけなさい」ではなく一緒に片づける。
「野菜を食べなさい」ではなく大人が美味しそうに野菜を食べるのを見せる。
ドーマン・メソッド
- アメリカ発の幼児教育プログラム。
- 人間の脳は0歳から6歳までが一番成長する時期で、脳の約80%が完成するという考え方。
- 五感を刺激し、インプットさせることで行う教育方法。
- 白地に赤丸が描かれたドッツカードを見せることで五感を刺激する遊びが有名。
レッジョ・エミリア・アプローチ
- 4~5名のグループに分かれて「プロジェクト」と呼ばれる活動を行う。
- 子供たちが互いに話し合って意見を出し合いながら、作業を進めることで自然と社会性を身につけられる。
- あらかじめ決められたカリキュラムや時間割が一切なく、子供たちのペースで「プロジェクト」を進める。
- 結果として自主性、協調性、交渉力、興味・関心を持つ子に成長する。
フレーベル教育
- 自分の特性を表現する力を身に付け、成長させる。
- 自然を体感することを重視し、草花を自分で育てることで感性を磨く。
- 大人の真似をしながら体を動かし歌を歌う。運動器官の発達や感性、リズムを育てる。
- 「恩物(おんぶつ)」と呼ばれる積み木遊びを重視している。
- 恩物には様々な形があり、想像力と手先の器用さを高める。また、次の日も続きから遊べるように積み木は片づけないことが特徴。
フレネ教育
- 子どもたちが主体となって学習を進める自由な教育方法。
- 年齢が違う子供に囲まれながら、活動計画表に従って学んでいく。
- 個性を尊重しながら、自主性を育むことができる。
- 「子供一人ひとりを尊重すること」と「子供の興味や意欲を引き出すこと」そして「子供が失敗を恐れないように取り組めること」に重点を置いている。
イエナプラン教育
- 「自律」と「共生」をテーマに掲げる教育法。
- 「主体性」「協調性」「リーダーシップ」「自己肯定感」が育まれる。
- 3学年の子どもが一緒になる異年齢グループを作って学習する。
- ブロックアワーと呼ばれる個別学習で、生徒が自分で1週間の学習計画を立てて、それに沿って学習を進めて行く。
- 物事をどのように捉え、どんな問いを立て、その問いにどのように答えていくかを大切にしている。
ピラミッドメソッド
- 子どもの自主性を育てることを目的としたオランダの幼児教育。
- 「自分で考えて決断できる力を養うこと」に重点を置いている。
- 先生は子ども一人一人と向き合い、一緒に何をするかを決め子どもの「やる気」を引き出す。
- 自分で考え行動するため落ち着いた子になる。
- 「遊び」を通して子どもの発達を促す。
コダーイメソッド
- 音楽を通して、音楽的能力を向上させるとともに、調和のとれた人間を育成する。
- 楽しく歌いながら、感性や言葉を伸ばす。
- リズムは注意力・集中力・決断性・神経を統御する能力を発達させる。
- リズムで神経を発達、歌うことで運動、言葉も育てる
- 一番重要視されているのが、「声に出してうたうこと」
ニキーチン教育
- 理念は「子どもの創造力を育むこと」。
- 自分で課題や問題を見つけ出し、ゴールに向かって問題を解決していく力を育む。
例:高い所にあるものに手が届かない時、自ら台を持ってくることで解決する。 - 元々備わっている「創造力」を最大限育てる。
- 「比較力」「分析力」「洞察力」「判断力」「実行力」の5つの力を重視している。
- 子ども達を幼稚園には通わせない。
- 子どもを過保護にせず、あえて危険な体験をさせる。
- ニキーチン流「積み木遊び」が代表的な実践例。
ルソー幼児教育
- 「消極的教育」という考え方。
- 大人があれこれ教えるよりも、子どもたちが自発的に行動し、大人はあくまでもそれを援助するのが良い。
- 知識を詰め込むよりも、運動や様々な経験を通して、子どもたちの心身を鍛えることを最優先に考えている。
- 人間は生まれた瞬間が善であり、文明や文化を教えることで堕落の道へと導いてしまう。
- 「本当の教師は父親であり。本当の乳母は母親である。」ルソーの名言。
- 母親は子どもに愛を注ぎ、父親は子どもを社会の一員たる人間とする。という意味。
18世紀のフランスで活躍した哲学者であるルソーが考えた教育論です。
ピアジェ幼児教育
- 子どもは小さな大人ではなく、各発達段階でそれ特有の感じ方や考え方をする独自の存在である。
- 子どもは大人の思考とは異なり、頭だけで考えるのではなく、身体も使って考える。
- 子どもの思考は論理的というよりも直感的であり、それだけに想像力が豊かにはたらく。
- 子どもは人との関わりの中で、自分の立場と相手の立場とをうまく協調させるようになっていく。
- 子どもの思考力は、自分の考えの過ちに気づき、自ら修正していく活動を通して発達する。
- 子どもが発達するには、自ら周りに関わり、周りからの反応に応じて子どもが新たな仕方で関わっていくという相互作用が不可欠である。
スイスの心理学者ジャン・ピアジェの教育論です。
ロック幼児教育
- 生まれた時は誰でも白紙の状態である。
- 経験したことがしっかりと心に刻み込まれ、それがその個人の人格を形成する。
- 教育は、知識を教え込み、習得させることが重要なのではない。
- 道徳を基盤とする人間形成が大切である。
- 自分の欲望にうち勝ち、我慢することを身に付けさせるべきである。
- 子どもを甘やかすことが、生まれつき持っている子どもの良さを台無しにしてしまう。
- できるようになるまで、何回も繰り返してやらせる。
- 自発的に善い行いができるように習慣づける。
- むやみに規則をつくらない。必ず守れる最低限の規則にする。
イギリスの哲学者ジョン・ロックの教育論です。
ペスタロッチ幼児教育
- 家庭教育の中でも特に、「母と子」の関係について重要視している。
- 成長と共に育まれる子どもの様々な感情は、母親との関係によるものが大きい。
- 子どもは母親とのやり取りの中から人間関係を学んでいく。
- 自立ができない幼児には母親の助けが必要であり、母親の情愛こそが自立するための土台である。
- 幼児の世話は規則正しく行うこと。
- 同じ習慣を身に付させる。
- 子どもの要求は意のままにかなえない。
スイスの教育実践家ペスタロッチの教育論です。日本の教育界にも多大な影響を与えた人物です。
日本の教育方法
七田式教育
- 「認めて・ほめて・愛して・育てる」がコンセプト。
- 子供の短所を見ず、いいところを褒める。
- 今は成長段階と考え、子供の成長を温かく見守る。
- できることが当たり前とは思わず、小さなことでもできたことを褒める。
- 他の子供と比較しない。成長を一人一人の個性として受け止める。
- 勉強ばかりさせず、思いやりを持って生きることの大事さも教える。
- 今のありのままの姿を受け入れて、できていることを褒める。
石井式漢字教育
- 「漢字はひらがなよりやさしい」が考え方。
- 漢字は一見複雑そうだが、それ故に識別しやすい。
- 漢字は具体的な意味や内容を表わしているので、幼児には絵を見るのと同じように理解できる。
- 言葉の豊かな子に育つ。
- 素直で品格のある性格の子に育つ。
- 礼儀正しい子に育つ。
ヨコミネ式教育
- 「自分で考えること」「自分で知りたいと思うこと」を重視している。
- 「学ぶ力・体の力・心の力」をバランスよく育み、自分の力で夢を実現することが目標。
- 「読み・書き・計算」を繰り返し学習することで「学ぶ力」を育てる。
- 6歳までに体をバランスよく動かすことで、運動能力のベース「体の力」を育てる。
- 小さいうちからいろいろな経験を積ませることで、「心の力」を育てる。