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オーストラリアの小学校におけるプログラミング教育の現状

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オーストラリア在住の方に現在の小学校におけるプログラミング教育について伺いましたので、こちらでご紹介させて頂きます。

オーストラリアの小学校におけるプログラミング教育

オーストラリアでは、2016年から、小学生からプログラミング・コンピュータサイエンスの教育を行うことが義務化されました。

教育内容(シラバス)は、各州・準州によって独自に決められています。
例えば、オーストラリア最大都市であるシドニーのあるニューサウスウェールズ州では、
プログラミングをすることによってデータがどう作られていくのかという事を学ぶことから始まり、中学・高校生になるとプログラミング言語(実際に自分でコードを書く)を使い、問題解決のためにどうプログラミングをすればよいのかを段階を経て学んでいきます。

プログラミング的思考を学習する教育

小学生から高校生にかけて、徐々に高度なプログラミング技術を要して問題解決をしていくという点では、日本のプログラミング教育と似ている点があります。しかし、一つだけ決定的に異なる点があります。それは、ほぼ全ての科目でプログラミングを行うという事、プログラミングだけに限らず様々なツールの使い方を各教科を通じて学んでいく事にあります。

日本の学習指導要領では、中学においては技術・家庭科においてプログラミング、情報セキュリティに関する内容を学びます。高校生になるとプログラミングの他、ネットワーク、データベースの基礎について学んでいきます。

しかし、オーストラリアでは、学年問わず英語、数学、情報技術、美術、体育、社会・環境、理科それぞれの科目ごとにプログラミングを行います。

例えば、美術では
 ・Scratchと言うプログラミング言語を使用して、作曲するプログラムを開発する

 ・電気や音を制御するための簡単な電気回路を持ったモデルを作る

 ・アプリを使って動画を作成する

scratchとは…
8歳~16歳をターゲットにした無料のプログラミング言語及び開発環境。ブロックを組み合わせるだけで簡単にプログラムの作成が行えます。

また、英語の授業ではGoogle Docsを使って課題を提出したりすることもカリキュラムに含まれています。

この様にプログラミングそのものを学ぶというより、プログラミングを通してできる事を知ったり、それを使い、どう問題解決を行っていくか、ツールの使い方を学ぶという教育が行われています。

もちろん、学年が上がるにつれて、視覚的にプログラムが組めるものから、人間が読める言語をつかったプログラミング教育にシフトしていきます。

下記URLはニューサウスウェールズ州の教育概要です。
ご紹介したものはほんの一部ですので、気になった方は是非、こちらから確認してみてください。
(全て英語で書かれています。)

https://educationstandards.nsw.edu.au/wps/portal/nesa/k-10/learning-areas/technologies/coding-across-the-curriculum

オーストラリアの小学校は一人1台のパソコンは当たり前!?

オーストラリアでは昔からITに関する関心が高い国でした。
そのためかオーストラリアの学校では約20年ほど前から、インターネットに接続されたパソコンを使えるように環境を整え始めていたそうです。

また、最近では一人1台はパソコンやタブレット端末を持っている状態で授業を受けている人が多いです。

これは学校が全て貸し出しするのではなく、家庭からパソコンやタブレットの持ち込みOKになったことや学校からの貸し出しもあり実現されたことです。

しかし、端末の貸し出しに関しては、親が数日間パソコンやタブレット使い方、インターネットの安全な使い方等の講習を受けなければならない事もあるそうです。

そういう観点から見ても、ITへの関心の高さを感じられます。

小学校のオンライン授業

新型コロナウイルスの影響で休学せざるを得ない学校もありました。

オンライン授業を行う所もあれば、授業そのものを行わなかった学校など対応は割れました。
今のところ、教育現場における感染症予防の一環として、オンライン授業の整備を進めるかどうかの議論はさほど行われていません。

しかし、コロナの陽性者が一人でも出るとロックダウンを行ったり、未だに国境を封鎖している事から考えると、今後の教育体制にメスが入ってもおかしくはありません。

日常生活で感じるオーストラリアのIT浸透レベル

私は現在、オーストラリアで生活しているのですが、あらゆることがオンラインで解決するため非常に快適に過ごすことができています。

少し例を挙げると、
・現金を使うことが少ない

 ほとんどのお店が、スマホ決済可能です。手数料はかかりますが、気にならない位の金額です。

・銀行間送金が無料
 専用アプリでお金の送受金が手数料無料で可能です。何度やり取りしても無料です。

・各種書類の申請
 銀行口座開設、車のナンバープレート更新、デジタル運転免許証、確定申告など

日常生活で窓口に行って何かをするという事がほとんどないような気がします。
とりあえず、何か申請しないといけない、更新しないといけないとなった時はWebサイトに行けば、スマホ、パソコンからできてしまうことがほとんどです。

プログラミング教育が必修化されたのは5年前なので、この先10年、20年すると現在の教育の成果が出始めて本当のIT先進国になりうるのではないかと思います。

まとめ

今回は、オーストラリアのプログラミング教育についてまとめました。

日本のプログラミング教育と比べると、社会にどうプログラミングやソフトウェアが使われているかを知る機会が多いのではないかと感じました。

私が中学生の頃(15年前)は、数学が社会の何に役に立つんだなんて言っていましたから、自分が学習している事をリアルタイムで社会にどう役に立っているか、使われているかを知る事ができるため、非常に良い教育制度だなと感じました。

皆さんは、どうお感じになりましたか?
是非感想をお待ちしております。

  
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